オーディオ機器は音声を扱う機械全般を指す言葉で、一般的には音声を収録するマイクや記録を行うレコーダーを含めます。マイクやレコーダーは録音機材に分類され機器で、狭義には含まれないこともあります。しかし日本語の音響機器と言う場合は、これらの録音機材もオーディオ機器に含みます。

近年はスマホやパソコンを使ったデジタルオーディオが主流で、当然ながらオーディオの代名詞的なものになっています。ワークステーションやコンソールのように、業務用で一般に馴染みが薄いものは音楽制作機材のイメージが強いです。こちらもやはり広義と狭義で、含まれたり含まれなかったりするものです。デジタルオーディオを始めとするプレーヤーは、間違いなく含まれる方の機器です。

従来はCDやMD、更にはカセットテープといった機器も存在していました。現在だとすっかりマイナーですが、それでもこれらはれっきとした、歴史に刻まれるオーディオ機器です。スピーカーの延長線上にあるヘッドフォンも、言うまでもなく定義に含まれる方の機器です。改めてオーディオ機器の概念を確認すると、音声を取り扱い録音したり、再生を行う機材を含むことが分かります。

録音にはマイクとレコーダー、再生はプレーヤーやヘッドフォンが含まれます。デジタルオーディオは音声をデジタル的に扱う概念のことで、録音にも再生にも当てはまります。デジタルオーディオレコーダーといえば録音機材ですし、デジタルオーディオープレーヤーといえば再生機材です。制作側のデジタルオーディオワークステーションは、コンソールと同様にオーディオのイメージは薄いですが、広義には機器の分類に含むことができます。

ちなみに、ワークステーションはパソコン上で動作するものが主流になっていて、音声を録音したりその場で編集、再生が行えるようになっています。これまで録音スタジオのミキシングコンソールで行っていた作業が、パソコンの画面を見ながらできるわけです。しかも、制限が緩和されて膨大なトラック数を取り扱うことが可能だったり、何度も編集とやり直しが繰り返しできます。プレーヤーはレコードの時代から始まり、カセットテープやCDとMD、そしてパソコンへと主流が変遷してきました。パソコンでは、ソフトウェアがプレーヤーの機能を実現することで、それまでのハードウェアと一体型の機材とは大きく変わっています。

スマホはパソコンの進化系で、ソフトウェアで音楽を再生するのは同様ですが、より気軽に持ち歩けたり高音質再生が楽しめるようになりました。加えて、ストリーミングで音声データを受信しながら再生したり、クラウドストレージに預けて場所を選ばず音楽を楽しむことも可能です。再生機器のヘッドフォンは、物理的に振動板を動かすことで音声を再現するオーディオ機器の1つです。ベースとなっているのは勿論スピーカーですが、小型で制約が多いことから、長い間進化が停滞していたのも事実です。

ところが、スマホを切っ掛けに音楽再生のハードルが下がり入り口が広がったことで、イヤフォンを需要が高まることになります。イヤフォンの需要増加は、より高音質を求めるユーザーへのメーカーのアプローチに繋がり、ヘッドフォンの新製品開発や進化にも結びついています。 日本は住宅事情もあって、本格的なスピーカーを自宅に設置したり楽しむのは難しいです。その為、従来からヘッドフォンの需要はあって市場に流通する製品も多くありましたが、それほど進化してこなかったのが正直なところです。誰にも身近なスマホがプレーヤーになることや、CDよりも高音質なハイレゾに注目が集まったことで、ヘッドフォンはイヤフォンと共に再び進化を始めました。無線技術の進化も相まって、ワイヤレスでも高音質再生が楽しめるようになっていますが、オーディオ機器は未だ発展途上で進化の可能性を秘めています。