CDやDVDの後継にあたるブルーレイとは、そもそも動画や音声の高画質記録再生を目的とした、光ディスクの一種です。世代的には第3世代に分類され、4K対応も視野に開発が進められたのが特徴です。ブルーレイとは青色のレーザーでデータを読み取ることから、このような名前がつけられています。厳密には青紫色のレーザーですが、便宜上ブルーレイと名づけられているわけです。

従来のCDやDVDは、透明度と寸法安定性に優れるポリカーボネート素材が主流です。これにアルミなどの材料の反射層を蒸着することで、レーザーに反射してデータを読み取るディスクとなります。肝心のブルーレイも、記録層や反射層を保護するベースは透明のポリカーボネート素材で、コーティングを施すことで傷に対応しています。開発の当初は傷に弱く、小さな傷や僅かな埃でも読み取りエラーが起こっていましたが、改良に改良を重ねて現在の使いやすいブルーレイになりました。BD-REの中には記録層に合金が用いられているものもあって、劣化の恐れが少ない無機素材も使われています。

従来は有機素材が主流だったので、高温多湿などの環境の影響を受けやすく、経年で劣化する欠点がありました。ディスクの製造環境や加工の仕上がりにもよりますが、保管が不十分だと目に見えて劣化したり、読み取りエラーが増えるのが従来のCDやDVDです。第3世代のブルーレイは、これらの欠点を解決するべく、メーカーが技術を惜しまずに投入して開発が行われたものです。そもそも物理的な寸法は互換性の為に変わっていないことから、必然的に記録を行う密度を上げる必要が出てきました。密度が上がると読み取り精度の重要度が格段に上がるので、同時にエラーを起こさない設計や製造品質がシビアになります。

読み取り専用のBD-ROMは、これまでと同じく材料にアルミが使われているので、実は材料的にはDVDと共通しています。材料は大きく変わりませんが、記録層の厚みを増すことで容量を増加させていますから、相対的にポリカーボネート素材の樹脂層は薄いです。コーティングで硬度を上げているのも、この薄くなったディスクの層の耐久性を補う為です。コストの関係もありますし、いわゆる歩留まりを改善することも不可欠なので、コストが増加する材料を変更するのは困難です。開発のより確実な成功が求められていたので、ブルーレイの開発者達は、構造を見直して従来の延長線上にあるディスクを開発した形です。その結果、容量はDVDと比べて約5倍に増え、4Kでも映画1本を収めることができるようになりました。